玉川堂(gyokusendo)とは
・玉川堂の鎚起銅器 ― 200年続く伝統の技
新潟県燕市に本店を構える玉川堂(ぎょくせんどう)は、約200年の歴史を持つ老舗の銅器メーカーです。
日本で唯一「鎚起銅器(ついきどうき)」という伝統技術を継承し続けており、その手仕事から生まれる製品は国内外で高く評価されています。
鎚起銅器とは
鎚起銅器の最大の特徴は、一枚の銅板を金槌で叩き、縮めながら成形する独自の技法にあります。
継ぎ目のない一体成形による強さと美しさ
何万回も槌で叩いて形を作る高度な職人技
使うほどに色や艶が深まる経年変化
特に「口打出(くちうちだし)」と呼ばれる技法は、注ぎ口までも一枚の銅板から打ち出す難易度の高い工程で、玉川堂の技術の象徴です。
玉川堂を代表する製品
湯沸(やかん・急須)
玉川堂の原点ともいえる製品。熱伝導に優れ、均一に素早くお湯を沸かせます。
銅イオンの作用で水がまろやかになり、お茶やコーヒーの味わいが引き立つと評判です。


茶器(茶筒・茶托など)
鎚目模様や着色の美しさが魅力で、経年変化を楽しみながら一生使える器として人気。
酒器(ぐい呑み・徳利・ビールカップ)
冷酒や熱燗の温度変化をダイレクトに伝え、口当たりもなめらか。
ビールカップは冷たさが長持ちし、泡立ちの良さから贈り物にも喜ばれています。




玉川堂のやかんの魅力
創業当初から「薬罐屋(やかんや)」を屋号にしていたほど、やかんは玉川堂の象徴的存在です。
熱伝導の良さ:鉄の5倍、ステンレスの25倍とも言われる熱伝導率で素早くお湯を沸かす。
水をまろやかにする効果:銅の殺菌作用やイオン効果で飲み物がやさしい味わいに。
経年変化の美しさ:使い込むほどに光沢や色合いが深まり、唯一無二の風合いに育つ。
工芸品としての価値:打ち出し模様や口打出の技術により、実用品でありながら美術品としての魅力も兼ね備えています。
まとめ
玉川堂の鎚起銅器は、高度な伝統技術と実用性、美しさを兼ね備えた工芸品です。
使うほどに味わいが増すやかんや酒器は、日々の暮らしに豊かさをもたらしてくれる存在。
現代の大量生産品にはない、温もりと存在感を楽しめる逸品です。



コメント